E92 M3 コンピューター 基礎知識・ケーブルの選び方編
DIY派の方は多いものの,コンピューターにはなかなか手が届かない方が多いんじゃないでしょうか.
そこで,今回の記事ではそんなしがないDIY派の皆さんの役に立つ情報を置いておきます.
ここでの最終目標は基本的な仕組みの理解,並びに実際にINPAで車両へアクセスできる事です.
基礎知識
前提条件としてWindowsを使用します.VMwareとかでゲストOSにしてもいいかもしれませんが,あんまりUSB PassThroughとかにどうも信頼を置けないので,Nativeで動かしたほうがぼくはすき.お好みでどうぞ.
とりあえず図に起こしました.基本的なブロックダイアグラムです.

ここでは準備する物を物理層から順を追って解説します(思想)
ケーブル選び編
まずはケーブルを選ぶ必要があります.こいつがないと始まらん.しかしながら,ケーブル選びはかなり厄介です.
理由としてケーブルには複数チップが載っていますが,これらを制御するファームウェアにバグがあるためです.
ケーブル上に載っているチップは主に,
- シリアルとUSBを喋る子 FTDI製なことが多い
- がんばるマイコン MicrochipのATMega162とかが多い
- CANを喋る子
などが載っています.
ここでのミソはATMega162で,こいつの内臓ROMがEdiabasとやり取りするためのファームウェアを持っています.
しかしながら,このファームウェア自体にバグが潜んでいるバージョンが存在します.海外のフォーラムでECUWorxの中の人が
All E9x M3s and 2008+ M5s will require a K+D-CAN cable that is flashed with the EdiabasLib firmware. ECUWorx sells preflashed cables, grab one here. Without this type of cable, a DME brick is guaranteed https://www.ecuworx.co.uk/how-to/taking-a-full-dme-read-with-mss6x-flasher/
と叫んでいるのはこのためです.
具体的なバグは,
the firmware that was developed by One-stop electronics has a bug that causes some modules on the PT-CAN bus and all modules on the MOST-bus to be programmed with erroneous data. This phenomenon was first described by Mike Benvo in 2012, where he found every 253rd byte is junk data.
https://nam3forum.com/forums/forum/e9x-2008-2013/e9x-coding-tuning/11026-mss6x-flasher-now-released
で示されている通りです.
しかしながら,ファームウェアにバグが潜んでいようが,一応使えないことはないし,コーディング程度ならほぼほぼ成功するでしょう.
そのノリでFLASHを実行すると,DMEやらTCUがゴミになります.
解決策
1.バグのないファームウェアが書かれてるケーブルを買う.
2.ケーブルのファームウェアを書き換える.
3.お店に任せる.
一つ目の解決策は簡単です
バグのないファームウェアはECUWorxかBimmergeekで買えます.この二つから買えば間違いない.
くれぐれもECSとかで買わないように.
二つ目は少し厄介ですが,親切丁寧なpdfがあるので丸投げします.
https://www.sfbmwcoding.com/files/flashing_compatible_cable_ediabaslib.pdf
お金があれば三つ目にしましょう.基本的に時間も使うし,気力も使うし,物好きとかお金がないとかじゃない限りおすすめしません.